2012年より、注染による浴衣を発売しています。
こちらも手捺染(てなっせん)と同様、全て職人さんが手作業で染めて頂いたものです。
昔ながらの技法で、染料を生地に注ぎ通すので生地に裏表がなく発色が綺麗です。
絵際には若干のにじみがあり、機械染めにはない柔らかい独特の表情が特徴です。
糊は防染糊といって、防染糊がついている所は染まらず、付いていない所は染まるという仕組みです。
型紙のサイズずつ防染糊を置いていっては畳み、糊を置き・・・という作業を1反(13m)行います。
この防染糊は固くて重く、1反どころか1m糊付けしただけで素人の私はヘトヘトになりました。
糊付けが終わるといよいよ染めの作業です。
様々な染料が混ざり合わないよう色の境目に堤防を作り、
それぞれの染料を注ぎこみ、生地の下にセットされたバキュームにより染料を吸い取っていきます。
これが『注染』と呼ばれる由縁です。
デザイン画を見ながら間違えないよう慎重に進めます。
余分な染料と糊を落とします。
水を含んだ布は重く、真冬でも水を使う作業は重労働です。
染め上がった生地を乾燥させシワを取り除きます。